*そもそも何故モノクルなんだ*
左右非対称がカッコイイ、というのは、左右対称を絵にするのが予想以上に難しいことから発生した、やぶれかぶれな感覚かもしれない(笑)。
 
なんでマチコをモノクルっ子にしたのか、覚えてないんですよねー。最初からたいした理由なんてなかったのかもしれないですが。

でも、普通モノクルは考え付かないと思うので(それまではモノクル萌えなんてなかった)、原因になるものがあったはずです。

そもそもあの当時の片眼鏡って誰だったかなぁ。ヘルシング1巻が出たのが98年だったなあ。あのころはヒラコーの連載スピードがゴイスー遅かったので、そのだいぶ前からヘルシングはあったはずです。一番考え付く影響源はそこなんですが(今でもウォルター老がモノクルっ子で一番好き)、一方で「コレクターユイ」の
ピースからじゃないのか、という気がしてなりません。AIだから。

モノクルは「萌え」記号としては、ノーマルな眼鏡郡よりもやや「狙いが外れて」いる気がします。ドイツでは、インテリ・軍人階層に流行し、軍人さんの写真には多くの萌えモノクルっ子が含まれておりいろんな意味でオイシイ萌え記号です。しかし、「眼窩にはめる」という装着形態は、堀の深いオヤジにしか似合わない(っていうか付けられない)のです。
そうでないモノクルは、ノーテンプルの鼻眼鏡(呼吸できないというアレ)のように、鼻梁を挟むか、マチコのように強引な理由※でむりやりくっつけるかしかありません(笑)。

※強引な理由
「メタバースエクスプレス」で、マチコは「外科手術でつけている」と言っている。
元々マチコのモノクルは眼窩よりも大きく、目の下のほうに「分子間力でフレームにくっつく」支えを埋め込んでいる。分子間力なので、しょっちゅう接合面をピカピカに磨いていないといけないし、接触部なのでなにかしら外から見えている(金属か何かが、皮膚の外に露出してるはず)はずだが、アップの顔でもろくに描かれていたことがない。なお、マチコがしょっちゅうモノクルを磨いている描写はあった。
しかし、帝国軍機械化将校時代に入ってからは、誰も「どうやってモノクルがマチコの顔に乗っかっているのか」を気にしないため、ほとんど磨いている描写がない。

このように、見る側にも描く側にもwファンタジーな部分の多いモノクルですが、記号として「変わりすぎてる」せいか、クールを身上とする萌えメガネ記号や、ドジっ子の象徴である萌えメガネ記号には、使いづらいようなのです。
 
あと、実際に記号として使ってみるとわかりますが、特徴的過ぎて1度しか使えません。(それでも帝将には、マチコの他に安武内宏実というモノクルっ子が出てきますが)
モノクルは記号性が強いので、あるキャラクターを端的に表す特徴としては使いやすいですが、そのしばりが大きいです。そういう意味では、何人もモノクルっ子が出てくるアルセーヌ・ルパンのシリーズは、さすがリアルタイムというか。本当にあんなのつけた人がいっぱいいた時代があったんですねー。

ヒロミにしても、もともと右目の視力だけが落ちていて、最初はノーマルのシンメトリーなメガネをかけたショタキャラとして登場します。それがカロルフに師事し、後にマッドサイエンティストキャラとして帰ってくるときに、「マッドメガネにしよう」がいつのまにか「片眼鏡っ子」になっていたという……。
「違法なまでに高等なAI」(帝国軍機械化将校)に感化されてカロルフに師事し、「あの出会いがなければ人生を踏み外さなかった」と言わせる上で、マチコと関係のある記号が必要だったのかもしれません。

モノクルは、装着できる人間を選ぶ眼鏡です。なので、モノクルを付けていること自体に、「オヤジキャラ」という意味が内包されていると考えられます。なにしろ堀の深いオヤジでないと、肉体構造的に、付けられませんから。
萌え記号のモノクルが「使いどころの難しい」のは、それが理由かもしれません。

*アン・シンメトリー*

そして、アシンメトリーであることも、重要な記号です。メガネ記号には「目を隠す」=心を隠す意味がありますが、モノクルは半分本音がばれているわけです。
ヒロミは「顔はシンメトリー」のキャラですが、マチコはモノクルがなくても「顔がアシンメトリー」のキャラです。右側の目は網膜の変わりに高出力のマイクロ波/光増幅集積機のフィルタが入ってるので、緑色に光ってます。そのためレンズを左側にだけつけてる(モノクルにしてる)わけですが、そのバランスをとるために(レンズ分左が重たい)右だけ前髪を伸ばさないといけません。あの変な髪形はそのためです。
昔の、まだ右目をレーザーに(笑)する前は、ふつーに真ん中分けの前髪でした。
ちょうどこんな感じに。
http://gunsou53.hp.infoseek.co.jp/yakusoku2.jpg(よりによってわかりにくいやつを)
ノーマルメガネのバージョンを描くときは、前髪も左右対称になるように書き換えてます。 

アシンメトリー記号としてのモノクルは、「左右二面性」を表す色が強いのではないでしょうか。普通のメガネっ子は、メガネが反射して表情が見えなくなったり、メガネをはずすと美少女だったり、仮面として眼鏡を使いますが、モノクルっ子は右の顔と左の顔が別人で、同時に同居しているわけです。
裏の顔と表の顔を使い分けるのではなく、二つが平行して存在しているための記号です。
 
同じアシンメトリーの記号として、顔傷とかテクノライズとか複眼とか複乳とか眼帯とかありますが、前者4つはともかく眼帯はモノクル以上に使い回しが利きません!

っていうか、自分がロベルトに与えた記号が予想以上に大きかったというか多かったというか強かったというか。

たとえば、マチコのモノクルを誰かが拾って付けたとしても何も起こらない気がするんですが、ロベの眼帯はそれつけたらロベに取り憑かれそうな気がします。呪いのアイテムです。

マチコ=片眼鏡であれば、片眼鏡=マチコが成立するかというと答えは否ですが、眼帯=ロベルトは真であるというこの恐ろしさ。何が恐ろしいかというと、右目に眼帯を付けていれば、それがロリ少女の外見をしていようが妖怪老婆の外見をしていようが、たいてい中の人はロベルトであるように見えてしまうということです。

本来、特徴のあるアイテムというのはそういう使われ方をします。どんなMSでも、赤く塗ってツノがついていればシャア専用になるわけです。
わしは眼帯にそこまで記号性があると思わなかったので、後半の帝将ではロベがミラーグラス(シンメトリーなもの)にアイテムを変えてるんですが、それでも眼帯のイメージがロベルトの専用になってしまっているのは驚きました。

*結論*
モノクルが何故萌えるか

それは、

渋い(そして顔の濃い)おっさんが、渋面を浮かべながら付けているアイテムだから。
 
 
 
いやあ、大変だと思いますよ。眉根をぎゅーってしてないと、外れちゃうっていうのは。

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