黒歴史ノート発掘からこのかた、SW(2.0はよく知らないのでフォーセリアで知識が止まっている)の二次創作のつづきを書き足しているのですが、面白くて仕方がない。

小説を書くほどスタミナはないと戦う前からあきらめて、黒歴史ノートに書き足すだけで満足しているのですが、「なぜこの話が自分にはこんなに面白いのか」がだんだんわかってきました。

最初は「神をコケにした態度」がカタルシスで面白いのかと思っていたのですが、頭の中で話が広がって、物語が決着する頃になると、何が「面白い」部分かはっきり見えてきました。


自分は、『唯識論的なSF』をフォーセリア舞台で作り上げることが楽しくて仕方がないようなのです。


元々『唯識論的なSF』そのものが、読むのも考えるのもワクワクして楽しいものです。

それを、ゲームとしての制約、ファンタジーRPGとしての制約があるフォーセリアであえてやる。「ルール上は禁止されていないので、あとはGM判断です」という隙間を突く。


この「ファンタジーRPG世界でSFをやる」「ルール上は禁止されていない隙間を突く」の2つが、面白くて面白くてしかたがないらしいのです。


いやだって、ロマンあるだろ!ガチファンタジーな舞台にSFをぶち込むのって!手あかが付きまくっているとはいえ、ファンタジーだと思ったら実はSFでしたーって展開は面白いだろ!


「フォーセリアではなくオリジナル世界に直して書く」というのも何度か考えたのですが、「ルール上は禁止されていない隙間を突く」部分の楽しさがもったいなくて、どうしても捨てられない。


脳内で話が進むうちに、主人公が「色即是空」とマントラ唱えたり(※主人公はファラリスのダークプリーストです)、主人公が量子ジャンプしたり(※繰り返しますが主人公はファラリスのダークプリーストです)しましたが無害です。


……本当にルール上問題ないんだろうか。まあいいや。

別にゲームとしてプレイするのは不可能でいいんです。ルール上はっきり禁止さえされていなければ。

……量子ジャンプは無理だろうな。まあいいや。


すべてのキモは、ファラリスの教義「完全なる自由」の解釈を、どこまでやっていいのか。これが通るか通らないか、リーチ後の捨牌読みあいみたいな綱渡りが楽しいです。


私の解釈では、「完全なる自由」という概念(ことば)をフォーセリア世界に発生させてしまったファラリスは、それによって、考えられるあらゆる邪悪も凌駕する「他の邪神を頭一つ飛びぬけた世界のルールの破壊者」の邪神となります。


自由経済の中で生きていると、自由であれというファラリスの教義は単純に悪だとは考えにくくなります。どうしても「邪悪でないファラリス教徒」を考えたくなります。

現代人の私たちは、「自由であることは誰にも侵害できない基本的人権である。ゆえに、他人の自由も侵してはならない」という考えを自然に持っています。だから、「自由かつ秩序の両立」は不可能じゃないと思ってしまうし、実際そういうファラリス教団は、ルールに矛盾せず作れるわけです。


私が「他の邪神を頭一つ飛びぬけた世界のルールの破壊者」といってるのは、古い意味(PCの敵、悪役としての役割)でなく、リベラルな意味(基本的人権の中の自由権)でもなく、「完全という言葉に含まれる、もはや言葉遊び・いいがかりに達してる部分」です。


「完全なる自由」という、ファラリスが究極として目指せと言ってる概念は、「完全」と言っているゆえに

グループSNEが「ゲームとして成立させるために決めているルール」からさえ「自由」である

ということです。


メタ的に言えば、GMにもPLにもグループSNEも、「ソードワールドRPGを遊ぶ」という概念がある限り、「自由」はありません。

「完全」という言葉には、そこさえ超越して「自由」である領域、そんなところまで含まれてしまうと言っているのです。

こんな自由が許されるとか、ルールを突いて実現できるとか、そんなことはまったくありません。不可能です。

ただ、ゲーム内の要素、ゲームを遊ぶ部品、ただの設定であるファラリスは、そんな部分(概念。言いがかりレベルですが)にもかかってしまうほど――宇宙を越えた部分につながるような――やっかいな概念を、「持ちこんでしまった」のです。

ファラリスがどうやったって、ファラリス自身には「ソードワールドRPG」をどうかする事なんてできません。ファラリスはゲームのパーツです。

ただ「完全な自由」という言葉、プレイヤーに「ゲームルールの向こう側」まで「発想させる言葉」を「持ちこんだ」という点で、私の中では「他の邪神を頭一つ飛びぬけた世界のルールの破壊者」に見えたわけです。


物語風に言えば、神を作った創造主からも自由になることが完全な自由なのだと言ってしまった、ってところでしょうか。


そして、私が描きたい物語も、そういう話なわけです。

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